私には６つ年上の兄が1人います。この兄とは歳も離れていたこともあり、そんなに思い出はありません。ひとつだけあるので、書いてみます。私が小学生の頃には、兄は家を離れて下宿していたからでもあります。
私が8歳の春休みのこと。両親は仕事で、兄と私は自宅で留守番していました。兄は何をしていたか忘れましたが、私は絵を描こうと、兄が中学の授業で作った手作りの折りたたみ椅子を取り出しました。
そして椅子に腰掛け、座り直そうと手で椅子を持ち上げ、少し前に寄って座った瞬間…私は何が起こったか…分からずそのまま座り込んでいました。すると兄が
「わー！大変や！！」「お母さん呼んでくる！」と言って…私を置いて家を出て行きました。
私の左手の中指の先が、切り落とされていたのです、兄の手作り椅子に。
兄は普段から「嘘」ばかりついていたので
近所で働いていた母親に
「妹の指がちぎれた！大変や！」と言っても最初は誰も信じてくれなかったそうです。
まさに…オオカミ少年だったのです。
あまりにも必死で訴えた兄を、周りの大人も信じてくれて私の元へ、急いで駆けつけてくれました。
その時、兄は私の切れた指の先を持って、氷で冷やしていたそうです。それが功を奏して、奇跡的にくっ付いたんです。
その日親戚のおじさんの車で、私と指を乗せて救急病院へ行きすぐに手術しました。その時のお医者さんが「80%はくっ付かないと思います。」と。しかし！爪も生えるし、無事に成功！
私は痛かったとは思うけど、その時は驚きの方が勝ってて、全く泣かずに病院に行き、みんなを驚かせていました。
今でも、血だらけの家の階段や…血だらけのタオルは思い出しますが、あとは思い出せません。
なので、身体の一部分が事故で取れた場合は、まず氷で冷やすこと！！大事だと思いました。
兄の椅子はすぐに父親によって、処分されました。ゾワっとする話ですみません。
